すべて(=奇跡)を信じて〜GACKT的超越のかたち〜

  • 2020.01.30 Thursday
  • 15:54

 

『J-POPの現在 〈生き難さ〉を超えて』

 第七章では、GACKTが登場します。

 第六章で論じた椎名林檎が本能を解放しようとするときの「ニーチェ的」な感覚は、GACKTの表現にも顕著です。徹底した〈日常〉の封印を通して、あるいは不条理感をいわば拘束具のようにして、〈闇〉を身体的に暴発させながら、華麗なパフォーマンスを繰り広げたGACKTですが、本書では、2000年の楽曲である「OASIS」の読み解きを通して、「自由」や「奇跡」といった概念の意味を問い直します。

 

OASIS(作詞 Gackt.C)

 

ゆっくりと夜が明けるまで君を抱きしめてた

何もかも失うまで気付かずに安らぎに溺れてた

 

“痛いさ…”

過去の自分なら苦痛に顔を歪ませてた

今ならこの傷みにさえ優しさを覚える

 

永遠に幻に抱かれるより

ひとときでも自由を択ぶ

 

*翼を広げ空へはばたいて

 焼かれる前に太陽になれ

 風よ吹け…空へ導いて

 君のすべてを奪われるまえに

 

遠い過去に生き続けるうつろげな君がいる

いつまでも動かないのなら切り裂かれればいい

 

差し延べるこの腕を掴めるならひとりきりでも

君はまだ微笑える

 

黄砂をあびて空へ舞い上がれ

強く輝く太陽になれ

風に乗れ…両手を広げて

君のすべてを壊されるまえに

 

震える君

誰のために生きるの?

「ミツケルタメ…」

奇跡( すべて ) を信じて

 

*リフレイン

 

黄砂をあびて空へ舞い上がれ

強く輝く太陽になれ

風に乗れ…両手を広げて

君のすべてを手に入れるために

 

「奇跡」という言葉に、人は、偶然もたらされる恩恵といったニュアンスを感じやすいものですが、この楽曲では、偶然でもなく、必然でもない、「奇跡」概念が突き詰められています。その「奇跡」に「すべて」とルビを振って歌う、GACKTの世界観が解き明かされます。

 

 また、彼が上杉謙信を演じた、NHK大河ドラマ『風林火山』(脚本:大森寿美男)にも言及。

「本能の表現とは、われわれにとって、いかなるものであるべきか」という問いかけを、物語として鋭くつきつけてみせた名作として論じています。

 

 

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プレスリリースはこちら→https://www.excite.co.jp/news/article/Prtimes_2019-12-20-46294-19/

 

 

 

川喜田晶子インスタグラム→https://www.instagram.com/akiko_mist/?hl=ja

 

 

 

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